アンド・ステディの靴にかえただけで体が変わるわけ
3.172019
アンド・ステディ代表 小野崎記子インタビュー
まず、アンド・ステディを始めるようになったきっかけを教えてください
実家が靴を作るメーカーだったのが大きいですね。子どものころから靴というものが身近にありました。
父はバランスよくいろいろな会社とおつきあいできる社長でしたが、なにせ男性の業界なので、会社を継ぐということになった時、女性にしかできない方法を考えました。それでやっぱり「自分の足」を使って、靴を作ろうと。会社員時代にはパンプスでかなり泣かされましたから。本当にいつも足が痛かった。でも男の社長は「ハイヒールを履いたこともない!」わけです(笑)
それで靴よりも先にまず、足の勉強をして、そうすると歩き方も深く関係していることが見えてきて、さらに歩行を左右するインソールも、、、とあちこちで勉強したり資格をとったりして、研究を重ねれば重ねるほど、「女性の足が危ない!!!」と危機感を持って。そこで女性の足データを集めるために、まずフットカウンセリングとレッグトリートメントをメインにした自宅サロンを開きました。
このサロンは予約が取れないほど大繁盛しました!
予想以上に、靴に関するお悩みを抱えている女性が多かったのですね、でも、相談する場がなかった。
最初はオーダーメイドのつもりじゃなかった?
そうですね。
300枚位のフットプリントが集まったんですが、一番多いワイズがB。世の中の靴の主流はEやEEだったので、「あれ?なんで?」と疑問を持ち始めました。
市場に出回っている靴をよくよく見てみると、「EEと記載していても明らかにDだよね、この靴・・・」なんていうのもすごく多くて、「これでは、女性たちが何を基準に靴を選んだらいいかわからないじゃない!」と。
そしてBの靴を作り始め、いやAの人も多い、AAも意外と多い、というように、目の前にいるお客さまの足に合った靴の木型を製作しているうちに、今ではAAAAAA(6A)まで増えてしまいました。
え?サイズやワイズの表示方法って規程はないんですか?
正式にはJIS規格で定められていますが、そもそもワイズ展開している靴メーカーがほとんどないという現実があります。
そして、現状としては、メーカーごとに、メーカー基準で、木型を削っていますね。木型には「メーカーのクセがでる」と当たり前のように語られます。そして、それをチェックする機関も罰則もありませんから。
しかもJIS規格の最も細いワイズがA。
もっと細い足の人は完全に規格外、概念がないので、靴が作られもしないわけです。
ですから、アンド・ステディではせめてお客さまが迷わないよう、細い足にも対応できるよう、JIS規格と当店木型の対応表を作っています。
「自分が履いている靴がJIS規格ではどこに相当するのか?」
常に意識していただくことが、自分のモノサシを磨くことに繋がっていくと考えています。
これがあれば、自分で計ってそのサイズを注文すればいいってことですよね?
そうなのですが、なかなかそれがうまくいかなくて・・・
ご自分で測っても「23.5㎝・幅広」の靴を履いていた人が、「22.5㎝・A」という計測結果になると、自分の計り方が間違えているんじゃないかと心配になってしまうみたいで。結局大きめを申告してくるのです。
でも、それじゃあ意味がない。
しかも、足は変化していく、ということを皆さん、ご存じありません。
スニーカーは、たっぷりした革に、紐という調整機能がついています。
だから、足が変化して、締まってきても同じ木型で問題ありません。
でも、パンプスは甲がまるっと空いた合わせるのが難しい靴。
だから、シビアな木型選びが必須です。
お足が締まって細く変化する方が、実に90%というのが現状。
ですから、やはり一度はサロンにお越しいただき、スタッフが計測して、お仕立てするのがベストなのです。
サロンにいらっしゃるお客さまで、ご自分の足のサイズを正確に知っている方は10%もいらっしゃいません。残念なことですが、サイズは大きく、ワイズも広めを選んでいる人が多いのが現実です。
そして、その靴が歩きやすい、と正しい感覚が育っていないことが大きな課題だと考えています。
靴、足、歩くを研究している小野崎社長ですが「これだけは知っていてほしい」と思うことは?
自分の足のことをわかっておかないと危ないよ、ということです。
靴選びに必要な自分のモノサシを持つために、せめてサイズとワイズだけでも知ってください。
靴の、ではなく、自分の足の。
「もっと早く知っておけば、、、」と後悔されるお客さまをたくさん見てきました。
お子さま、ご家族のためにも、足を知る、ということが必要だと強く申し上げたい。
「自分の」足を守るために、ということです。
靴・足・歩くにお悩みの方たちに行っているフットカウンセリングの流れを教えてください
まずはフットプリントを取って、足の筋肉や骨格の状態を見ます。
そして足の計測を行います。サイズ・ワイズの他20ケ所以上の計測を行います。
次は歩き方のチェック。足の使い方、動かし方で体に影響が出てくるので、その方のクセを読み解きます。
そして靴のチェック。靴には歩き方のクセが刻み込まれていますので、これまでの計測とチェック結果を確認します。
ここまでで、お客さまの足の情報が詰まったフットカルテが作成できます。
それを元に、試着!
23.5cmのBとAとAAのように、ワイズ違いの靴を試着できることが、アンド・ステディのフットカウンセリングでの大きな特徴になりますね。「これがジャスト!」を体感するには、何よりも試着して、歩いて、比較すること。
この体感こそが正しいモノサシになりますから、その感覚を脳に刻み込んでください!といつも言っています。
そうすれば今後は合わない靴は買わなくなるので、靴選びが劇的に変わるはずです。
無駄な靴にお金を支払わなくなるのが、最大のメリットではないでしょうか(笑)
本来の自分のサイズの靴を試着したら、みなさん、喜ばれるんじゃないですか?
「きつい!これは無理・・・」とおっしゃいます(笑)
でもそれは当然ですよね、今までは大きめばかりを履いていらっしゃったわけですから。本当はこれが正しいサイズなんですよ、と言って、しばらく歩いていただきます。すると、「なにこれ?」と(笑)
「気持ちがいい」
「背が高くなったみたい」
「脚がぐらぐらしない」
「勝手に足が前に進む感じ」
そう聞くと「よし、よし」と思います(笑)この感覚がわかれば、もう大丈夫。
当然の結果ではあるんですが、靴を変えただけで、お客さまの姿勢がよくなり、歩幅が広がって、歩き方が変わります。
体は、体の正しい状態を、知っているのです。
靴を販売するだけのつもりがウォーキング指導をするようになったのもそういうことから?
そうですね。そもそも靴は「歩くために」存在するわけなのですが、私たち、歩き方をどこでも習っていないですよね?
合わない靴を履いてしまうと、無意識に靴が脱げないように歩く。正しい歩き方ができなければ足が弱って、タコや魚の目ができ、ひどければ外反母趾になる。足が痛くなると、さらに大きな靴を履くようになって、ますます変な歩き方になる。
それなのに健康のために「1日1万歩、歩きましょう」なんていう酷な話が出てきて、余計足腰に負担が起こる。
とんでもない悪循環を起こしています。
ですから足にお悩みやトラブルを抱えている方には、正しい歩き方を知っていただくこと、そして足や靴の知識を持ってもらって、その場しのぎの対処法ではなく、根本から改善していただきたいという想いでウォーキング指導にも力を入れています。
二足歩行の人間の体は、正しく歩くことで健康を維持できる仕組に出来上がってますし。
足も、靴も、歩き方も、全部繋がっていることなので。
今後、力を入れたいことはなんですか?
歩きやすい靴を手にいれるには、足を整え、正しい歩き方に修正することが最初のステップです。この事実を、一人でも多くの人に知っていただきたいですね。「靴だけの話ではない」ということです。
ですからアンド・ステディでは、まずはスニーカー、パンプスならストラップ付をおすすめしています。特に職人が手釣りで仕上げたくつトレ®スニーカーは、筋肉が育っていない足を整え、鍛えてくれる、基本中の基本のアイテムです。
多くの女性たちが素敵なパンプスを履きたいと思っているのは、わかっています。
他店でもオーダーメイドの女性の靴と言えばパンプスで、デザインで競っています。
でもそれだけでいいのかな?と。足が鍛えられたダンサーやモデル用に作られたバレエシューズを、「軽くて、柔らかくて、いい!」と足が弱い人が知識のなさから勘違いして履く、するとますます足が弱くなる・・・そんな悪循環に陥っているのを見ると、このままで大丈夫?危ないよ、と思うんですね。2020年4月からJALさんの厳しい靴規程も緩和される時代です。
足のことを知らない女性たちが「履きたい」靴だけを作っていてはいけない!という想いはずっとあります。
一方で、人生100年時代、健康寿命をマネジメントするためには、足は外せないでしょう。
だから、これからもアンド・ステディ では研究を重ねていきますし、オーダーメイドのパンプスで女性の好みに合うように革や素材の種類や品質にこだわり続ける一方、体づくりに欠かせないスニーカーにも力を入れていきます。
靴でオシャレをしたい!パンプスをかっこよく履きこなしたい!ならば、一見まわり道のように見えるかもしれませんが、正しい歩き方が先だよ、足を作るのが先だよ、その先はいくらでも自由に選べるようになるんだよ、ということを伝え続けたいと思います。
ありがとうございました
小野崎記子プロフィール
生まれは神田駿河台、育ちは浅草。父方、母方ともに戦後から靴関係の会社を経営しており、靴に関してはサラブレット。
大学卒業後、経営コンサルタント会社に就職。30代で父が急逝し、会社を引き継ぐ。
本格的に足と靴の研究を始め、2010年春「足と靴のコンサルティングサロン|アンヨエクック」をオープン。経営コンサルタント時代に培った、クライアントのために客観的に見て問題を発見し、やれることの優先順位をつけて問題を解決していくという方法で、足トラブルに悩む女性たちから大きな支持を得る。
並行して靴づくりを始め、2013年靴メーカーの直営サロン「くつ・あし・あるく研究所|アンド・ステディ」としてリニューアル。ワークショップ「足裏を整えて美脚をつくる7つのステップ」の開催など講師活動を中心に、雑誌や各種媒体の執筆も意欲的に行い、公式サイトは月に100,000PVのアクセスがある。
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靴難民の私でしたが、アンド・ステディさんに出会えて毎日が変わりました。自分に合った靴がこれからは履けることが本当に嬉しいです。オーダーメードの靴屋さんは他にもたくさんありますが、小野崎代表のお話を聞くと納得できて、最初からこちらに出会えたことに感謝です。
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肥塚さん、嬉しいお言葉、ありがとうございます!靴が快適になると、毎日が変わりますよね!スニーカーに履き替えてしっかり足づくりからすると決断されたことが、勝因だと思います。どんどん歩いて、どんどん健康な体になってください^^